世界観
剣と魔法と天馬や竜が存在する世界。
そこの大陸の一つには、二つの大国、スキエンティアとアミシティアが存在している。また、大陸全土に広く布教されているグラーティア聖教が大きな影響力を及ぼしており、二つの国の中間に総本山たる本部が設営されている。二か国は過去に戦争の歴史を持っており、グラーティア聖教が
中立の立場で仲介を行い、現代まで平和を保ってきたが、五年前の聖教本部内での大司教殺人事件に端を発し、全面戦争が始まる。
(※この物語には士官学校で教師を務める『先生』が主人公として存在しますが、この企画においては会話の中でしか出てきません。生徒達から広く慕われる指導者という風に認識していただければ。)
スキエンティア帝国
大陸の東側に位置する大国。
かつて数多あった小国を侵略、統合して一大強国となった。身分格差は大きいものの、肥沃な土地と豊富な資源に恵まれ、国民全体の暮らしは安定している。
現代においては強欲で色狂いだった皇帝を始めとした皇族が私欲の限りを尽くしていたが、末皇子にあたるデュランが父帝を討ち、自分以外の皇族を全て排除することにより皇位を継承し、変革がもたらされつつある。大陸全土の統一を目指し、アミシティアへ侵略する。
帝国に伝わる神器は四つ。
知恵を授け魔力を増大させる神杖ゲンドリル、
山をも割砕すると伝えられる神斧ガグンラーズ、
鋼鉄をも貫く鋭さを持つ神槍スヴィズニル、
失われた命を取り戻した伝説のある神珠ヴァルファズル。
アミシティア王国
大陸の西側に位置する大国。
帝国が勢力を拡大するまでは大陸最大の国家だった。百年前ごろから異常気象による寒冷化で土地が痩せており、国民は厳しい生活が続いている。
国王一家がアルテイシャ王女一人を遺し事故死しており、王弟が統治を引き継いでいたが、失政が続いており、国民からの支持はされていなかった。アルテイシャが正式に王位を継いでからは軍備の拡張が急速に進み、スキエンティアからの侵略に真っ向から対抗している。
王国に伝わる神器は四つ。
戦禍をもたらす神剣ベルヴェルク、
焔を宿す神弓バーレイグ、
万物を防ぐと言われる神盾ビヴリンディ、
獣性を付与し身体能力を向上させる神牙ヒルドールヴ。
グラーティア聖教
帝国と王国、二国家に跨り布教が広まる信仰。かつて大陸に平穏をもたらした神祖たる竜を崇拝している。
立ち位置としては中立国に近く、ちょうど二国家の中間に聖教本部が置かれている。士官学校が併設されており、二カ国の貴族子弟から平民まで幅広い少年少女が様々な目的で入学を目指している。
独自に騎士団を擁しており、ある程度の戦力を有している。主人公である教官はかつてこの騎士団の所属だった。
オマケ……(ここは特に読まなくても大丈夫な裏設定です)
・遥か昔、この大陸には戦神竜オーディンと呼ばれる巨大なドラゴンが存在した。オーディンは人との共存を望み、異大陸からの侵略に対する守護も行っていた。オーディンは自らが寿命で没するとき、己の遺骸から武器を作り、今後は人間達自身の手で守るようにと言い残した。そうして作られたのが八つの神器であり、長い時の中で二つの国に分散して残された。神器を扱うには竜の血が必要であり、竜の血を飲んだ一族、それぞれアミシティア王家とスキエンティア皇族の血を引く者が該当する。また、彼らから分け与えられた血を飲むことで、血縁者以外も一時的に神器の行使が可能となる。
・副題の大神の葬列は、オーディンの遺骸を武器として振るい戦い合う二カ国の様子を暗示させている。
・没したオーディンの復活を目論む暗黒教団がいる。元をたどればグラーティア聖教の分派に当たるが、オーディンの復活による人類の完全統治を望む思想を強行していたため、異端の烙印を押され追放されている。彼らは現代のアミシティア、スキエンティアで暗躍し、王族一家の暗殺や皇族たちの堕落を導き、いくつもの惨劇を引き起こした。
・デュランの母親は暗黒教団の巫女的な立ち位置の生まれだったが、そこでの暮らしに嫌気が差し逃げ出し、スキエンティアに落ち延びた。そこで紆余曲折を経てスキエンティア皇帝に見初められ、寵姫として離宮に囲われた。